本棚の設計

同じ下北沢のデザイン事務所directionQの事務所の本棚と打ち合わせテーブルを設計させてもらいました。

 

たかが本棚されど本棚。

これまで何度か本棚だけの設計をしてきましたが、なかなか難しいものです。

考えることが結構あります。

 

いつも考えてしまうのは、

長期間使ってもらうためにはどんなデザインがよいのか?ということ。

収納する本の寸法や、数量に合わせること。

素材を空間に合わせること。

本棚、テーブルの存在感で空間を再構築すること。

材料の持つ存在感、質感を使って、使う会社のCIに合わせること。

家具としての強度、構造

予算。

これらはどちらかというとわかりやすい条件ですが、

もしも、将来引っ越しても使い続けられるようなものとは?

というとなかなか難しい。

よくあるパターンは、流行りの雑誌の写真をみせられて、こんな感じというもの。

それだと近い将来に流行りがすぎてしまって悲しいことにならないか。

ぜんぜん違うテイストの部屋に移った時、大丈夫だろうか?とか。

 

クライアントが望むものを受け入れながらさらに先の提案をぶつけるというのが

僕の仕事だと思っているのですが、うまくいかないと全然理解されない人になってしまいます。

 

そう考えてつくった本棚でしたが、いい物件がみつかったとかで半年も経たずに引越しすることになってしまいました。

設計して納めた本棚は、天井高さが2470でしたが、一般的な天井高さの2400にして、天井の隙間を埋めてあったので、

これが功を奏し、新しい事務所では梁下ぴったりに納まりました。

引越し先は、ギャラリーのような白い空間なので、以前の部屋よりも家具が空間を引き立ててくれていると思います。

設計者の手を離れてからも家具は(建築も)生き続けるもの。

どうか末長くお使いください。

 

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